イベントでの売り場作り

イベントでの商品ディスプレイの事前指導やセミナーのご依頼をいただくことがあります。

地方の物産展や商談会等の会場で売り場を作って商品を陳列、展示するわけですが、スペースが限られている上に会場の規定があり、通常の売り場より制限があります。限られた条件下で、自社の世界観を表現し、商品の特徴を首尾よく訴求するにはどのような事に留意したら良いでしょう?

手順としては通常の売り場とほぼ同じです。

①その日の打ち出し商品を一種類(主役)を決める

②ザブの商品を決める

③売り場のデザインを考えプランする

 ・訴求したい商品に合ったテーマを決める

 ・自社の色を決める

 ・商品に合ったディスプレイ用品を決める

④POPを必ず制作する

 ・キャッチコピーで通行人に瞬時に訴求ポイントが伝わるように

 ・食品の場合はシズル感のある画像を載せる

⑤どんな商品を扱っている企業かすぐに理解できるブースである事

⑥五感に訴える工夫をする

 ・聴覚に訴える(呼び込み)以外と効果あります。

 ・試食 香りで味覚や嗅覚に訴求

 ・動きのあるもの(デジタルサイネージなどを活用)で注意を引く

⑦色の塊を作る。

 ・パッケージ、POP、テーブルクロスなど、ブースを構成する要素の色に統一感を持たせる。

 と、大体こんな手順になります。

最後の、「色の塊を作る」とは、ブース(テーブル)を同じ色味で構成するという事ですが、イベントの会場内でひときわ目立つ技(ワザ)の一つです。

人の目(脳)は「まとまり」を常に求めようとする特性があります。

また、主役商品を決めるというのは、会社が自信を持って一番オススメするモノをまずは知りたいと思う顧客心理を考慮した手法です。所狭しと並ぶ数十店舗をみて回るのですから短時間で効率よく欲しいものをゲットするためにお客様の目線は普段よりせわしなく動いているはずです。

イベント会場での売り場は、お客様の滞留時間も短くその分巧妙なテクニックが要求されます。思わず立ち止まってしまう売り場の要件はやはり「視覚」がキーワードです。

店内明るいですか?

路面店と施設内の店舗では必要な明るさが異なります。なぜなら日中の時間帯の照度に対し、店内の明るさは照明をつけていても桁違いです。

ショッピングセンターやアーケードなどの店舗は館内照明との照度差はあまりないのでスポットライトのみでも十分必要な明るさを確保することができます                                   では、路面店の照明計画でどのようなことに気をつけなくてはいけないのでしょうか?                                 工務店に任せっぱなしにしないようにしましょうね。 全体を明るくするためには壁や天井まで照らす必要があります。広角照射のダウンライトを均等に天井に配置し、天井面と壁面を均等に明るくします。

陳列、展示部分はさらにスポットライトで部分照射します。スーパーやドラッグストアのような平坦な空間でなく、見せたいポイントを照らしてメリハリのある空間にします。    

店内が暗い事でお店にどのようなマイナス要因が生じるかというと、人は暗い店舗に入りたいと思うでしょうか?店内が良く見えない、店内の様子が分からない、品揃えが分かりにくい、故にお店に興味が持てない。当然入店率に直結しますね。人間には「向日性」という特性があり、生理的に明るい方向に行きたいという欲求があります。暗い場所には恐怖感を覚え、心理的に入りたくないと思って当然です。

商業施設のテナントに比べ、路面店は入店のハードルが高いです。入りづらい心理を考慮しながら自店の明るさを一度確認してみてください。

事実、売場を明るくすると入店率、回遊性が向上した事例も多くあります。入店率がイマイチと思われているのでしたら、まず自店の照明計画を見直してみてはいかがでしょう。

店内の仮説検証

売り場を物理的に改善して売り上げや集客率を向上させるのがVMDですが、売り場での売り上げ不振や集客が悪い原因は様々で、単に売場を改善しただけで劇的に効果が上がるとは限りません。では売場以外にどんな問題があるのでしょう?

例えば、レイアウトやディスプレイの問題だけでなく、商品が近隣のの顧客ニーズに合っていない、接客がよくないなど、売上げが芳しくない店には、複数のマイナス要因が隠れていることがあります。

それは一見しただけでは見えにくいものなのですが、ではマイナス要因を抽出するには果たして何をすればよいのでしょう?

仮説検証しないといけないのです。

例えば、入店率はいいにもかかわらず買い上げ率がよくないのなら、

接客に問題があるのかも知れません。お客様に商品の特徴や、商品を購入するメリットを上手に伝えているでしょうか?

入店率がよくないのはお店自体に魅力を感じないから、あるいは店頭が雑然として品揃えが分かりにくい、フェイシングが悪く商品群の特徴が伝わらないなどの要因も考えられます。

入店して手にとって見たものの、あと少しのところで購入に至らないのは、お客様が財布を開くことをためらう何らかの原因があるからです。

まず仮説を立て、お客様の行動をよく観察し、自分なりの分析をしてみましょう。

仮説を立てるとは、例えば「この商品に説明POPを設置したらどうだろう?」

「ボディーの位置を店奥に置くとマグネット効果で入店率が上がるかも。」など、効果的と思われるアイデアをアレコレ実践してみるのです。

売場を整理整頓して品揃えが一目で分かる様にすることで、潜在客がお店に興味を持ち、入店率が上がるかもしれません。

また、商品の特徴(素材、メーカーのこだわり、他社との違いなど)やブランドのストーリーをよく理解した上で接客することで、商品の魅力とメリットが伝わり、購買に繋がるかも知れません。

「こうしてみてはどうだろう?」を実践してみましょう。店前で立ち止まる人がいた、滞在時間が延びたなど、

なんらかの良い変化があった時、今まで何が入店、買い上げの障壁だったのかが立証できます。

また、お客様との会話の中で、要望や意見を汲み取り、本部にフィードバックして、よりニーズに合った商品開発

することも、お店のファンを増やすための重要な要件です。

顧客チェック表を書きましょう

小売店なら当然業務日報を書いていると思います。

最近はPOSレジを導入している店舗も多く、商品だけでなく顧客データも正確に分かるようになっています。

日報は何のために書いているのでしょう?今後の運営管理の参考資料となることを意識して書いているでしょうか?

日報の項目は、来店客数、購入アイテム、購入金額、スタッフ所見などですが、もっと具体的な顧客の買い方、商品の「売れ方」を記入し、フィードバックすることで、商品開発や売り場作りに有効な資料となります。

私は「顧客チェック表」と言う独自の日報を担当者に手渡しています。

これは入店した顧客ごとの情報を記録する日報で、

項目は

①店前で立ち止まった客数(分かる限りで、歩調を緩めた客数も)

②実際に入店した客数

③滞在時間(大体でいい)

④商品を手に取った

⑤接客の有無

⑥買い上げ有無

⑦入店したがスルーした客の様子

⑧顧客ごとのスタッフ所見

など、各お客様の買い方や接客での会話が今後の商品開発の参考になります。

売り場での業務が増えて面倒ですが、できる範囲で構いません。

店前で立ち止まった人数 →ディスプレイ制作の参考になります。

滞在時間の長さはゾーニングや棚割り、マグネット売り場の有無など売り場構成が作用します。

商品を手に取ったけど買わなかったのは、入店はしたのでディスプレイやレイアウトには問題なし。

でも接客や商品(デザイン、値段、POP)に改善点があるのかもしれません。

スタッフ所見には性別、年代、職業、お客様の意見、要望(もちろんクレームも)なども書くと売り場のみの情報を社内で水平展開できます。

入店したのに買わなかった、ディスプレイに立ち止まったが入店しない、店内の何を見て入店したかなど、様子をよーく観察して、そこから抽出された課題を本部と売り場で共有してください。